立花孝志氏の変遷(後編)― 大津氏への攻撃、兵庫県知事選への展開と刑事・民事訴訟
前・中編を振り返って――守られなかった約束と、膨らんだ債務
前編では、立花孝志氏の経歴・議員歴をたどり、公約と実際の活動の隔たりを見てきた。中編では、受信料不払いへの支援の約束がどうなったのか、そして、高い利息を約束した資金集めによって、党が巨額の債務を抱えるに至った経緯を取り上げた。
立花氏は、NHK受信料の不払いを呼びかけ、裁判になっても党が費用を負担すると説明していた。しかし、東京新聞の報道によれば、その約束を信じた利用者に未払い分の請求が届く一方、資金不足を理由に支援は行われなかった。さらに、その対応費用を賄うため、新たに寄付を募ったという。支援を約束して不払いを勧めながら、対応できなくなると、再び支援者に負担を求めたのである。
資金集めは、国政政党になる前から始まっていた。参照資料によれば、2019年6月には年利15%、1年後の返済を条件とする資金募集が行われた。同年7月の参議院選挙で国政政党の要件を満たし、政党交付金を受け取る立場になると、同年11月には、次の衆議院選挙に向けて、1口100万円、年利5%という条件で借入れを募った。
これは寄付ではなく、返済を約束した借金である。選挙に費用がかかるとしても、使途の説明と返済の見通しは欠かせない。将来の政党交付金を当てにして、借入れを際限なく増やしてよいわけではない。
資料には、2021年にも資金不足を訴え、追加の借入れを募った経緯が記されている。借りたお金を使い、足りなくなると、また借りる。その結果、2023年3月の党臨時総会では、立花氏自身が、党に約11億円の負債があり、残高は2400万円しかないと説明したと報じられている。なお、資料にある2022年の約11億8800万円は年間の支出額であり、借金の残高とは別の数字だ。
では、巨額の債務を抱えた党の代表が、大津綾香氏に交代した後、何が起きたのか。後編では、代表権争いと大津氏への攻撃、そして兵庫県知事選への展開をたどる。